本でつながる、人とつながる。図書委員が本の紹介記事を作成するNewsPicks内の「LIBRARY」とは?【PR】
学校生活での「本」との出会いは、新たな交流を生み出すきっかけにもなる一方で、近年はデジタル化や忙しさから、子どもたちが本に触れる機会が減少している学校も多い。
そんな中、静岡市にある私立の中高一貫校、静岡大成高等学校では、NewsPicks Educationが提供する学校専用空間の中に、ニュースを共有する空間とは別に、先生や生徒がおすすめ本を紹介する「LIBRARY」という専用空間を設け、運用している。
図書委員会が推進するこの「TAISEI BOOK LIBRARY」という活動は、学年やクラスを越えて、生徒同士や先生が本を介してつながる新たな交流の場を生み出しているという。
図書委員の3人と担当教諭の和田 真由子さんに、その取り組みについて話を聞いた。
図書委員会メンバー(1年生 副委員長)
増田 璃乃(ますだ りの)さん| 写真中央
図書委員会メンバー(3年生 委員長)
石川 拓輝(いしかわ たくと)さん| 写真右
図書委員会メンバー(2年生 副委員長)
図書委員の手でつくる、本を媒介にした「つながり」
ーー「TAISEI BOOK LIBRARY」とはどのようなもので、なぜこのプロジェクトを始めることになったのでしょうか?
図書委員会担当教諭・和田さん:
「TAISEI BOOK LIBRARY」は、NewsPicks Educationのプラットフォーム内で展開する、本を紹介するためのデジタル空間です。コロナ禍やタブレット端末の導入などさまざまな事情によって、生徒たちが図書室に来る機会が減り、本を読むことが少なくなっていることが気になっていました。
もっと本の楽しみを知り、夢中になって本の世界に浸るような感覚を味わってほしいと思っていたんです。読む本を選ぶ方法が分からないという声も増えたため、もっと本に触れるきっかけを作りたいと考えました。
そこで、生徒や先生が簡単におすすめの本や最近読んだ本を共有できる場所が必要だと思い、NewsPicks Educationの協力を得て、デジタル上で本を紹介できる場としてTAISEI BOOK LIBRARYが誕生しました。
この活動が始まって1年が経ったところですが、学校全体に広がり、読書を通じた新しいつながりが生まれています。
ーーTAISEI BOOK LIBRARYは、誰がどのように運営しているのですか?
図書委員38人全員が、それぞれ2冊ずつおすすめの本を選び、あらすじやおすすめする理由、図書室にある本のURLリンクを記事としてまとめ、それを図書委員長の私と副委員長の2人で週3回、投稿しています。
72冊分の紹介文が集まりますが、いろいろな視点で紹介されているので読んでいておもしろいですよ。
LIBRARYには全校生徒がアクセスできるので、そこで紹介した本を、図書館にも専用のコーナーを作って展示して、実際に手に取ったり借りたりできるようにしています。
ーーネット上のLIBRARYと、校内の図書館が連動する形で本と出会いやすくなっているのですね。皆さんは、もともと本や読書が好きで図書委員になったのですか?
私は幼稚園の頃から本が好きで、小学生から図書委員を続けてきました。私が本を好きになったのは、小学校の司書の先生がきっかけです。
図書室に行くと、その司書の先生がおすすめの本をいろいろ教えてくれて、おもしろい話もたくさん聞かせてくれました。
それで図書室に行くのが好きになって、本を通じて人と交流することが大好きになりました。LIBRARYの活動を通じてたくさんの生徒に本の魅力を伝えられることがうれしいです。
僕は、読書が苦手なのであまり本は読みません。
ただ、小学生の頃は図書室に置いてあった『うみの100かいだてのいえ』という絵本をよくめくっていました。遊び心があっておもしろいので、本が苦手な僕でも楽しめたお気に入りの絵本です。
図書委員になったのは、クラスで他に立候補者がいなかったからなのですが、苦手なものに挑戦してみようと思い手を挙げました。LIBRARYの活動は、普段本を読まないけれど、本に興味を持つきっかけになっています。
私は学校の休み時間や図書館で本を読むことが多く、説明文は苦手なので、物語や小説をよく読みます。特に好きな本は『星の王子さま』。
中学2年生の頃に初めて読んだのですが、社会のことや大人についてだんだん知ってきた時期だったので、星の王子さまの子どもらしい純粋な心情を綴った文章が心に響きました。
図書委員になったのはたまたまですが、LIBRARYの投稿を通じていろいろな人と交流する機会が増え、楽しく取り組んでいます。
ーーどういったタイミングで交流が生まれていますか?
例えば今週書く記事がなかったときに、クラスで休み時間に本を読んでいる人がいれば、声を掛けて「今読んでいる本をおすすめとして紹介してもいい?」と聞いたりします。
そこから会話が広がり、仲良くなった子もいます。
聞いた人が自分のおすすめの本について話してくれるときって、やっぱり皆笑顔で楽しそうにしゃべってくれるんです。
本がきっかけで、話が広がって楽しく交流できることがあるなと感じています。
本と出会い、人と出会い、自分の将来の可能性と出会う
ーーLIBRARY活動で印象に残っていることはありますか?
夏休み前の終業式後に、初めての読書会を開いたんです。LIBRARYで紹介された本を読んだ生徒が集まり、好きな本を紹介し合ったり、最近読んだ本を共有したりする交流の場です。
LIBRARYの活動が始まったときから、「もっと人とつながり、本についてじっくり語り合いたいな」という思いがあり、和田先生に相談して、中高生が参加できる校内読書会を企画しました。
まず全校生徒に参加希望のアンケートを取り、LIBRARYで紹介された本の中で実際に読んだ本や、語り合いたい本があるかも尋ねました。当日は10人ほどが集まり、それぞれが好きな本を1冊ずつ紹介しました。
「この本知ってる」「映画化されたよね」「アニメもあるよ」「この小説は曲から書かれたみたいだよ」など、話は本を超えて広がり、さまざまな話題で盛り上がりました。
ーーまさに本を通じて人とつながり、新しい世界に出会える場ですね。LIBRARYの活動は、皆さんにとってどんな価値がありますか?
僕は、本に対する苦手意識が薄れてきました。
LIBRARYを通じて他の生徒が紹介する本に興味を持ち、普段選ばない本に触れることで、視野が広がったと思います。
本は自分の世界を広げ、将来につながる学びを得るきっかけになるんだなという気づきがありました。
私にとっては、図書委員の皆が書いてくれるおすすめ本を知ることが、新しい本との出会いになっています。好きなジャンルに偏りがちなので、他のジャンルにも手を伸ばす良いきっかけになっていると思います。
私も、小中学生の頃よりも、いろんなジャンルの本に触れる機会が増えました。友達と本について話す時間も増えて、そうしたつながりが広がっていくのがうれしいです。
LIBRARYがきっかけで、図書館に来る生徒も増えたように感じます。
ーー最後に、今後の展望を教えてください。
もっと多くの生徒がLIBRARYを通じて、本を楽しんでくれたらうれしいです。特に、普段本を読まない人が気軽に本に触れる一歩になればと思います。
本を通じて司書さんや先生方、友達や先輩後輩など多くの人とつながり、自分の視野が広がる体験を多くの人と共有したいです。
「LIBRARY」導入校募集中!
NewsPicks Educationでは、先生や生徒がおすすめする本を紹介する専用空間「LIBRARY」を導入したい学校を募集しています。ご興味のある方は、以下のURLからお問い合わせください。
https://x.gd/tc0wI
〈取材・文:先生の学校編集部/写真:Newspicks Education 提供〉