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社会は答えのない問いだらけ。0から1を創造し、トライ&エラーで前に進む力を育てる「アントレプレナーシップ教育」のすすめ 【PR】

社会は答えのない問いだらけ。0から1を創造し、トライ&エラーで前に進む力を育てる「アントレプレナーシップ教育」のすすめ 【PR】

文科省が推進している「アントレプレナーシップ教育」。
日本語に訳すと「起業家精神」だが、必ずしも起業家を育てるための教育というわけではない。

「自ら社会課題を見つけ、課題解決に向かってチャレンジしたり、他者との協働により解決策を探求したりすることができる知識・能力・態度を身につける教育」と定義されており、新学習指導要領にも似たような表現や思想が見られる。

もう少し噛み砕くと、アントレプレナーシップ教育とは、どのような教育なのか?
ある講座に参加し、アントレプレナーシップ教育について体験的に学んだ2人の学校教育関係者に話を聞いた。

写真:
井上 ちさと(いのうえ ちさと)さん(写真左)
株式会社FROGS ミライアカデミー講師/琉球frogs英語メンター

大嶺はづき(おおみね はづき)さん(写真右)
名護市立久辺中学校 音楽科教諭


社会とのギャップを埋めるアントレプレナーシップ教育

私はまだ大学生だった頃の2008年に、アントレプレナーシップを半年間育てることを目的とした「琉球frogs (当時IT frogs)プログラム」を受講して、大きな影響を受けました。

プログラム卒業後も事務局メンバーとして関わりながら、現在は教員として授業や生徒会活動の中でFROGSで学んだアントレプレナーシップのマインドを子どもたちに伝えています。

私は、FROGSが主催する「イノベーター育成講座」に参加して、自分の授業スタイルが大きく変わりました。受講のきっかけは大きく2つあって、一つは以前海外で現地の子どもたちに教えていた経験があり、海外の子どもたちと比べると、日本の子どもたちはアイデアをゼロから創造することが苦手だなと感じていたこと。

もう一つは、いったん教員をやめて転職したフィリピンのスタートアップ企業で、集客UPの施策など、毎日答えのない課題に対峙しながら仕事を進めていく日々を経験したことでした。

とにかく自分なりに考えて仮説を立てて実行し、うまくいかなければその理由を検証してまたトライする、といったPDCAを繰り返す中で、ふと「これが今の子どもたちに求められている力なのか」と感じたとき、今の学校教育に危機感を覚えました。私自身を振り返ってみても、ゼロからアイデアを出し、PDCAを回しながら進めていくような授業をしてこなかったからです。

もっと学校教育に、社会とのギャップを埋めるための学びを入れていかないといけない。ゼロから発想を生み出して、前に進んでいく経験を積んだ方がいいと強く感じ、まずは私自身がアントレプレナーシップを理解し、教えられる術を身につけようという思いで受講しました。

自動生成AIをはじめとするテクノロジーの目覚ましい進化や、私たちは今どんな社会変化の過渡期を生きているのかといったマクロ的な現状理解に始まり、そんな社会で求められているのはどんな人材なのか、そうした人材を育てるためには何が必要なのかといったことを話し合いながら、実際に自分たちでも社会課題を見つけ、解決策を提案するワークにも取り組みました。

サポーターとして伴走してくださっていたFROGSのスタッフから具体的なフィードバックの仕方や声掛けの方法、テクニックなどを学びつつ、イノベーターを育む上で大事なマインドやスタンス、アントレプレナーシップとはどういうものなのかといったことを体感しながら学ぶことができました。


トライ&エラーの過程で得る学び

授業の組み立て方への意識や、狙いとするところがすごく変わりました。

これまでは、授業の最後には生徒たちに発表してもらい、成功体験にする形で終わることが最善だと思っていました。

でも講座では、大事なのは発表することじゃない。発表に向かう過程で、どんな力を伸ばしたくてその学習に取り組んでいるのか。また、その試行錯誤のプロセスを振り返り、トライ&エラーを繰り返すことが大事なのだという話がされていました。

その上で、もし生徒が準備不足で発表できなかったとしても、それはその子にとっての成長ポイントであって、そこを発表できるように大人が導くようなことは、本人の成長にはつながらない、と。

特にトライ&エラーの話は、企業での実体験もありすごく腹落ちして。失敗を体験することが成長への近道なのだとすれば、先生という伴走者がそばでサポートできるうちに、うまくいかなかった経験をたくさんさせてあげたい。そのためには、授業づくりにおいて子どもたちの成長ポイントを作り出せる授業設計をすることが重要なのだと痛感しました。

トライ&エラーは、学校現場ではなかなか味わえないですよね。

私が受けたプログラムでは、世界で通用するサービスを生み出すことに挑戦しました。サービス発表までの過程で何度も何度もブラッシュアップされるんです。自信を持って発表した内容でも、「これでは全く成立しない」などと言われて、鼻をボキボキに折られました(笑)。トライ&エラーの繰り返しです。

学校教育では、成功体験をさせて褒めて終わりというスタイルが多いように感じますが、成功させて終わりという教育ではなく、成功や失敗をした後、ここからどう伸びていくかがむしろ大事であること。そして、トライ&エラーの繰り返しの中で私たち大人がどう深く関わるかが大事なポイントなのだと気づけたことが、自分の中における学校教育に対する一番大きな変化だったと思います。

はい。そのためにも、生徒たちが「自分たちで決断すること」が重要です。

本人が決断したならば、しっかり伴走して最後までサポートするのがFROGSのスタンスです。たとえそれで失敗したとしても、たくさん失敗を経験させていくことが成長につながる、という考え方ですね。

私も教員として、生徒自身が決めて実行するような経験・機会を、生徒会活動や授業の中で多く取り入れるようにしています。

「生徒の脳みそに汗をかかせること」、あるいは「0から1を創造する力を育てること。そのために必要なさまざまな要素」でしょうか。

私は、「答えのない問いや課題に対して、答えを創ること」かな。

アントレプレナーシップは、よく起業家精神と言い換えられて、「別に起業家を育てたいとは思っていない」と言われることがありますが、そうではなくて、課題を解決していく一つのツールとして捉えてみてはどうでしょうか。

社会課題といった大きなサイズのものだけではなく、自分が抱えているちょっとした疑問や悩み事なども課題といえます。それらに対して、自分なりの解決策を見つけていく一連のプロセスが、アントレプレナーシップ教育なのかなと受け止めています。

そうなんです!アントレプレナーシップ教育を学べる新たな講座がスタートします。

FROGS社が持っているアントレプレナーシップ教育のノウハウを、学校の先生に体験を通じて学んでいただき、アントレプレナーシップ教育を学校現場に広げることを目的とした研修です。

研修内容は、全5回のオンライン養成講座と、2日間にわたる探究実践講座 in 沖縄の2種類。詳細は、ホームページをご覧ください。
https://www.frogs-workshop.com/

この研修を通じて先生自身のアントレプレナーシップを伸ばし、未来の学校教育を一緒に創っていく仲間になっていただくことを期待しています。わくわくするおもしろい内容になっているので、学校の先生に限らず、ご興味ある方はぜひ奮ってご参加ください!


正解がない時代だからこそ「教えない」教育を。


井上さんが受講した「イノベーター育成講座」を企画・開催し、現在もアントレプレナーシップを中心に非認知能力を育む機会や場づくりに取り組まれている、株式会社FROGS 代表取締役CEOの山崎暁さんにもお話を聞きました。

私は、2008年から16年間、アントレプレナーシップを中心とした非認知能力を育むことに真摯に向き合ってまいりました。その上で一番大事にしていることが「教えずに気づかせる」ことです。

なぜ、国(文部科学省や経済産業省など)が、未来を生きる人間に求める資質として、これらのスキルを推進するようになってきたのでしょうか?

AIをはじめとするテクノロジーの進化で、いよいよシンギュラリティが目前に近づいてきました。今までのような「10年ひと昔」ではなく、「2年ひと昔」ぐらいのスピードで社会変容が進んでいくからでしょう。ちょっと変化するというレベルではなく、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションが起こり続けるということです。

人間が人間らしく生きるために、人間の強みを再認識し、人間にこそ求められるスキルを再構築しつつ、テクノロジーに人間の機能を拡張してもらいながら、地球と共存進化していくフェーズなのかもしれません。

幸いにも、人間には本来兼ね備えた知識欲があります。アントレプレナーシップを中心とした非認知能力を身につけた人が勉強をしないというケースを見たことがありません。内発的動機を高め、同調ではない自分解をもち、社会で生じる目の前のさまざまな課題を見て見ぬふりをせず、自分ごととして果敢にチャレンジする人こそ、勉強には意欲的です。関心分野に対する探究心や学びを実生活に生かす力は目を見張るほどです。

正解があることには「教える」という行為が最適かもしれませんが、正解がない(分からない、いくつも正解がある)ことは、年齢や立場関係なく、一緒に考え、寄り添い、ときにはディスカッションしたり、違う価値観をぶつけ合ったりすることが大事だと思います。

〇×がハッキリしているものや、データで解析できるもの、マニュアル通り正確に行うことこそ、テクノロジーの得意分野です。10年20年先の未来は予測不能です。未来を考えるときに正解はありません。PBL(Project Based Learning)手法の探究学習や、未来に向けたキャリア教育などを推進されている教員の方々も多いと思います。

・どう生徒に寄り添ったらいいのか?
・探求学習の成果をより効果的に導き出すためには?
・問いをデザインするスキルを学びたい
・陥りやすい失敗事例を知っておきたい
・アントレプレナーシップや非認知能力の効果について知りたい


などに興味関心のある方は、ぜひお問合せください!
https://www.frogs-corp.jp/


〈取材・文:先生の学校編集部/写真:ご本人提供〉