マンネリ化した朝の会が、個性あふれる時間に変身!青森県の公立小学校が実践する児童主体のニュースを活用した学び合い[PR]
青森県つがる市立森田小学校 6年生の教室では、ひときわユニークな朝の会が行われている。
国内最大規模の経済ニュースメディア「NewsPicks」が提供する教育現場向けの「NewsPicks Education」を使って、子どもたちが自ら選んだニュースを題材に、自分の意見を発信し、クラスメイトの視点を知ることで、思考の多様性に触れる「学び合い」の時間が繰り広げられているのだ。
まだ小学校での活用事例は珍しいというNewsPicks Educationになぜ着目したのか、担任である前多昌顕さんに話を聞いた。
初任の頃よりICTの教育活用に興味を持ち研究を進める。いったんICT教育と距離を取り、研究対象を思考ツールにしたが、プログラミング教育必修化をきっかけに再開する。マイクロソフト認定教育イノベーターエキスパート2018-2021、Education Exchange 2020日本代表、Best Leaning Activity Award受賞、日本初のFlipgrid認定教員レベル3、Google認定教育者レベル2、embot認定ティーチャー、NPO法人学修デザイナー協会理事で学修デザインシート開発者。
教員の負担なく、子どもたちの多様な見方と視野を広げるきっかけに
——朝の会でNewsPicks Educationを使い始めたきっかけを教えてください。
SNSで交流のある他校の先生が、NewsPicks Educationを活用した実践を頻繁に投稿していて興味を持ちました。
ちょうど、マンネリ化している朝の会をなんとかしたいと思っていたことと、せっかく1人1台の学習用端末があるのだからもっとICTを活用したいと思っていたこともあり、すぐに申し込んで朝の会で使い始めました。
——朝の会ではどのように活用しているのでしょうか?
朝の会が始まるまでに、日直が興味を持ったニュースとそれに対するコメントをNewsPicks Educationの専用空間に投稿します。
朝の会が始まったら、その投稿を電子黒板に映し出し、なぜそのニュースを選んだのかを3文以上で発表します。聞く側は、その発表の後に2分間でコメント欄にそれぞれ感想を書き込みます。
——子どもたちの反応はいかがですか?朝の会でNewsPicks Educationを活用したことで起きた変化などがあれば教えてください。
導入当初はものすごく反応が良くて、日直ではない児童もどんどん気になるニュースを検索してコメントを投稿していました。
ただ限られた朝の時間に、前もってニュースを選んで投稿することが負担になっている様子も見受けられたので、朝の会までに投稿が間に合わない場合は帰りの会までに投稿してもらい、帰りの会でニュースの共有を実施するように変更したところ、また盛り返していきました。
小学生にとってニュースを見ることの優先順位は決して高くはないので、工夫は必要かもしれません。
想定外だったのは、朝の会や授業の時間以外でもNewsPicks Educationを閲覧する児童がいたり、授業の中で私が話したこととNewsPicks Educationで見た記事とを関連付けて発言する児童が出てきたことですね。
クラス全体をみても、子どもたちの読解力やコメント力が向上していると感じます。
——前多先生ご自身も使われてみて魅力に感じるのはどんなところですか?
読み応えのある豊富なオリジナル記事と、良質なコメント欄が魅力です。有識者の声も豊富で、主張の違いが分かりやすい。
日頃、多様な見方が子どもたちからはなかなか出てこなくて意見が偏りがちですが、NewsPicks Educationのように良質で多様なコメントがずらっと並んでいると、他者の意見と自分の意見を比較して考えることができるので、視野を広げるのに有効だと感じています。
——紙の新聞を教材として活用する“News in Education(以下NIE)”を実践する小学校は多くありますが、NewsPicksを使ったNIEの可能性は感じられますか?
これからは小学校でもどんどん活用されるべきだと思うほど、可能性の高さを感じます。
新聞記事を切り抜いて教室に貼ったり授業で使ったりするのもいいのですが、先生にとっては負担が大きい上に、子どもたちにとって主体的な学びにはつながりにくいですよね。それがNewsPicks Educationだと、先生の負担が少なく、ニュースを選ぶ主体が子どもたちになる。
ゲームの記事ばかり読む子がいれば、もっぱらSDGs関連の記事にコメントする子もいて、普段目にしないような記事を自ら選べるようになっている時点で、能動的な学びにつながっていると思います。
せっかく1人1台の端末があるのだから、もっと他者と関わり合えるようなニュースの使い方ができたら効果的だと考えており、その点NewsPicks EducationにはSNS的要素があるので良いですね。
——今後、NewsPicks Educationを活用して取り組んでみたいことがあれば教えてください。
取り組んでみたいことは、ニュースを通じた他校とのコラボレーションや、海外の子どもたちとの交流ですね。同じ年代のアメリカの子どもたちと青森の子どもたちが、「この記事についてどう思う?」とNewsPicks Education内でやりとりできたらおもしろそうです。
またこれは希望ですが、子どもたちが卒業後も、今のアカウントを使い続けられるようにしてほしい。今使っているアカウントは、現段階ではNewsPicks Education内に作られた「学校専用空間」でのみ使えるものなので、卒業後は使い続けることができません。
中学生、高校生、大人になっても、過去に自分が選んだニュースや投稿した意見、友人とのやり取りが閲覧できたら、それだけでとても有益な学習履歴になると思います。
——導入を検討されている学校や先生方へのアドバイスがあればお願いします。
NewsPicks Educationは教員側の負担がなく、子どもたちの知的な活動を増やせるのでおすすめです。
実際に私自身、NewsPicks Educationの導入にあたっては作業量が増えたわけでもなく、全く苦労していません。最低限の設定だけ済ませたら、あとは子どもたちに使ってもらうだけです。
ただ1つだけアドバイスをするなら、まだ分別がつけられない児童もいるのが小学校なので、使い始めは投稿されたコメントに対するチェックやケアは必要かと思います。先生が目を通して悪意のないコメントだけが交流の場に出ていく仕組みを整えてあげると、子どもたちも安心して使い始められると思います。
NewsPicks Educationに関する問い合わせはこちら
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〈取材・文=栗崎 恵実/写真=成田 真治〉