ニュースは出会いと発見。仲間と共有することで個人もクラスも元気になる!1回10分、ニュースを分かち合う活動がもたらす変容と可能性 [PR]
国内最大規模のソーシャル経済メディア「NewsPicks」は、実は、教育現場でも利用できる。その名も「NewsPicks Education」。
児童・生徒が自分の端末で200種類を超えるニュースに触れられるほか、安全性の高い非公開の学校専用空間を利用して、生徒は関心があるニュースを共有したり、自らの意見を表現したりすることができる。
最近では「NewsPicks Education」を活用するいくつかの学校で取り組まれている「10分ニュース」が、先生方に好評だ。事業責任者の蒲原慎志さんに、「ニュースで学ぶ」とはどういうことか、「10分ニュース」の取り組みと共に話を聞いた。
株式会社ユーザベースで業務改革のプロジェクト推進を本業としながら、NewsPicks Education事業を立ち上げ推進している。過去には、コンサルティング会社での企業向けの研修講師や小学生向けの探究型学習塾での講師経験もあり、現在も社内外で講師を務めている。NewsPicks Educationでは、全国の小中高でNewsPicksの活用を推進しながら、総合的な探究の時間や情報の時間で講師を務め、教員研修を担当する機会も増えている。最近ではSEE Learning Japanのメンバーとしても活動している。
知らないこと自体を楽しめたら
—— 子どもたちと接する中で感じていることがあるそうですね。
子どもたちのニュースに対する印象がとにかく悪いのです。この数年は世界各地で起こる紛争の影響もあってか、ニュースは怖いものと表現する人が多いです。他には堅いもの、難しいものだったり、大人が読むものと表現する人もいます。大人たちは、「最近の子どもたちはニュースに触れていない」と嘆いていますが、大人もニュースに触れる機会は減っているようです。
大人も子どももニュースにあまり触れていない状況で、子どもたちにおいては、ニュースが「読むべきもの」になってしまっている。義務感でニュースに触れても、きっと楽しくはないだろうなと思います。
——ニュースは読むべきものという考え方をしない、ということですか?
ニュースに触れなくても困らない、なんて声を聞くこともあります。これを耳にしたときには、その人にとっての「ニュース」はどういうものなのだろうかと考えます。例えば、好きなお菓子の新商品の発売も、好きなスポーツクラブの試合の結果も、好きなアイドルの活躍もニュースです。
そう思うと、ニュースに触れなくてもというときのニュースのイメージは、経済、経営、政治など、一部の領域に限定されているのかもしれません。だからこそ、子どもたちにとってのニュースの概念が変わると、きっと楽しめると信じています。
子どもたちには、ニュースは「自分にとって新しいもの」であって、どんなことでもニュースになるのだよと伝えています。ニュースは出会いと発見をもたらしてくれるものです。地球上には200以上の国があって、80億を超える人がいるのですから、自分が知っていることの方が少ないのは当然です。
だからこそ「知らないことを恥ずかしい」なんて思う必要はなくて、むしろ、知らないことに出会い、知れたことは祝福なんです。私にとっては生きていること自体がニュースで、ニュースでないものはないのでは?とさえ思っています。
ニュースでつながり学びあう「10分ニュース」
—— 今、一番大切にしているという「10分ニュース」とは、どういったプログラムですか?
「10分ニュース」はシンプルです。
前半の5分でニュースに触れ、後半の5分で仲間と分かち合う。これだけです。
一般的にニュースを読む活動はありますが、それだけではもったいないと思います。仲間と分かち合うことで、自分の発見が仲間の発見になり、仲間の発見が自分の発見になります。自分では見ないようなニュースを仲間が紹介してくれて驚いたり、共有したニュースがたまたま同じで驚いたりすることもあります。分かち合うことで、互いのことを知ることができるのです。
分かち合う方法もさまざまです。あるときは隣の子と、あるときは前後の子と、そしてあるときは、クラス内で最も話したことがない子と分かち合います。自分で選んだニュースが手元にあることで、ほとんど話したことがない人とでも話せることに気づきます。ニュースが話してくれる、そんなイメージです。
——ニュースをきっかけにした対話の場なんですね。興味深いです。
「対話」で大切なことの一つは、受け取ってもらえることです。人は受け取ってもらえると、受け取ることができます。「10分ニュース」では、自分が選んだニュースを差し出して受け取ってもらう、仲間から差し出されたニュースを自分が受け取る、そんな営みです。
さらに、そのニュースに興味を持った理由や、そのニュースに対して抱く感情や考えなども分かち合います。それらは評価されることはないし、否定されることもなく、ただただ「そうなんだね」と受け取ってもらえるし、ときには「私はこう感じたよ」と応答もしてもらえる。これが「ニュースで対話」の一つの取り組みで、人と人がつながる営みです。
もう一つ大切な観点があります。それは、仲間と分かち合わなかったニュースの存在です。例えば2つで悩んだ末、共有しないと決めたニュースこそが本当の自分らしさを表現している場合があります。
ただそれは、仲間には見せていない一面だったりもするので、差し出すことが怖かったり、どう思われるのかが不安だったりもします。そういうときは無理に出す必要はなく、そんな「自分」を感じてもらいます。「10分ニュース」は自分との対話でもあるのです。
——「10分ニュース」の良さはと聞かれたら、どう答えますか?
実践している先生方がよく仰っているのは、生徒が元気になるということです。「10分ニュース」は分かち合いの時間こそが豊かです。活動を通じて友達も増えるのです。
あと、先生方の負担がない点も特徴で、生徒たちだけでできます。先生の負担がなく、生徒やクラスが元気になる取り組みっていいなと思うのです。最近では、クラスにとどまらず、学年集会で実践している先生もおられます。
——児童・生徒からは、どのような声が届いていますか?
一番うれしかった声は、家庭での変化でした。
例えば、「両親の会話が分かるようになった」「家でニュースを見ているときに『これ知ってる!』と親に言えてうれしかった」という声がありました。また、「ニュースで親と会話したら、世代の違いで生まれる観点や感じ方の違いがおもしろかった」といった声もありました。
ニュースで親子がつながり、お互いを知るきっかけにもなっていることがうれしいです。学校で「10分ニュース」に触れる時間があるだけで、一番大切にしてほしい家庭という場において、親子の関係が育まれる機会を創る力がニュースにはあるのだと実感できます。
また、ニュースに触れ続けることで、友達との会話の変化を感じるという声もうれしかったです。友達との会話は楽しいけれど、どこか中身がないという自覚もあったというのです。それがみんなでニュースに触れているおかげで、いつしか友達との会話に自然とニュースの話題が入るようになったというのです。「ちょっと、偉くなった気がするんですよね」と話してくれた表情が印象的でした。
親子関係に変化を感じたり、友達との関係に変化を感じたりする子どもたちが増えていることが何よりもうれしいです。これこそが「ニュースの可能性」だなと思うのです。ニュースを「あいだ」に置くことで、ニュースを通じて自分とつながり、他者とつながり、そして社会とつながります。
——今後はどのような展開を考えているのですか?
「10分ニュース」を実践する学校、そして先生方ともっともっと出会いたいです。「10分ニュース」と呼んでいなくても、きっと同じようなことをされている先生方はたくさんいらっしゃると思います。そういった方々にも、ぜひNewsPicksを活用していただきたいです。
そして、実践者同士でそれぞれの活動を分かち合い、子どもたちのために「ニュースで学ぶ」機会を創り届けたいです。
NewsPicks Education 10分ニュースの実践事例
<始めた理由>
本校では、2017年から高校1年生と2年生全員でニュース時事能力検定を受けています。日常的なニュースに関心を持ってもらいたいという意図で始まった取り組みで、昨今の環境の変化で新聞を購読しない家庭が増えたり、ネットで自分の興味があるニュースのみに触れる状況を危惧していました。そこでNewsPicksを授業で活用することで、幅広いニュースを日常的に目にする機会を作ろうと思いました。
<実施した感想>
周囲の友達がどのような記事に興味を持ち、どのような感想を持つのかを共有しながら楽しそうに活動していて、幅広い視野を養うとても素晴らしい機会だと感じています。またPickされる記事も、経済や国際情勢のようなもともと生徒が関心を持っている分野だけではなく、スポーツやテクノロジー、お菓子など、多岐にわたっています。
この取り組みで一人ひとりが成長しているのはもちろんのこと、お互いに刺激を与え合うことで、クラス全体が成長し、公共の授業以外の地理や国語などの授業においても、ニュースから学んだ知識が波及しているように感じられてうれしく思っています。
若者のニュース離れが世間で話題になりますが、この取り組みを通して高校生は決してニュースに興味がないわけではなく、情報過多の現代の中で情報に溺れているだけだということが分かりました。授業の最初の10分だけでもこうした取り組みを行うことで、生徒たちはその豊かな感受性で10分以上の成長をすることを実感しています。
必要なのは、ニュースに触れる機会をきちんと作ることと、効率よくニュースに触れることができるNewsPicksのようなコンテンツを提供することだと思います。
<始めた理由>
1人1台端末の時代になり、無意識にしろ、「見たい情報しか見ない」という人が増えていると思います。そんな中、成人年齢が18歳に引き下げられたにもかかわらず、時事的な話題をほとんど知らない高校生が選挙権を持つことに少なからず違和感がありました。そこで、「10分ニュース」で時事問題に触れる時間を作ることにしました。
<実施した感想>
私が担当するコースでは、毎朝10分間、朝礼の前に行っている朝学習で「10分ニュース」を導入しました。手順は簡単で、5分間でニュースを読み、次の5分で自分が読んだニュースに対して感じたことをペアで話します。最初にやり方とルールを説明する以外は、教員の準備は一切いりません。
ちなみに、ルールは「週ごとに話す人を変える」、「第一声は『おはよう』から始める」だけ提示しました。ペアで話すことで、朝の少し重たい時間が明るい時間に変わっていく感じが見て取れます。生徒の声も、「アウトプットすることで、ニュースが頭に残るようになった」「楽しいから続けられる」「クラスメイトの価値観を感じられるのが楽しい」など、ポジティブなものが多いです。
この活動は、「ニュースでアイスブレイク」と名づけたいほど、クラスをほぐしてくれるものとなりました。
<始めた理由>
ニュースに触れる機会が少ない生徒が多く、時事的な感覚や理解において生徒間のばらつきがあることで、分野によっては共通認識を形成するのに困難が生じており、相互理解の妨げになっているのではないかという懸念がありました。そのギャップを埋め、生徒がお互いや社会に目を向けていくことを目標に、まずは生徒がニュースを身近に感じるきっかけとなればと考え、始めました。
<実施した感想>
初めはニュースに対して堅苦しいという印象が生徒たちにあったようで、自分とは関係のない話題だと面倒くさがっている様子も見られましたが、最近では「ニュースって、意外とおもしろいな」と感じている生徒が増えたように思います。クラスメイトの紹介する記事を読むことで、今まで興味のなかった分野に目を向けたり、相手の意外な一面を知ったりする楽しさもあるようです。
また、教員も一緒に取り組むようになり、教員同士の会話も増えました。教員が新聞を読んで記事を共有するというやり方では、教員の負担が大きいため継続しづらい側面がありましたが、「10分ニュース」は生徒が主体的に記事を選ぶため、教員の負担が少なく、気軽に始められるのも良いところだと思います。
<始めた理由>
本校は商業科ということもあり、さまざまな取り組みを通して、社会と触れ合う機会が用意されています。ですが、与えられたものが生徒の「自分ごと」になっているのだろうかとモヤモヤを感じていました。
また、キャリア支援部長として生徒の自己理解を促す方法も悩んでいる中、いいタイミングで「10分ニュース」をご紹介いただきました。内容を知って、「これなら手軽にできそう!」というのが真っ先に頭に浮かびました(笑)。もちろん手軽さだけではなく、ニュースをツールとした生徒の自己理解や商業のおもしろさに気づくきっかけ、生徒のキャリアの振り返りやこれからの材料になればと思い、取り組みを始めました。
<実施した感想>
生徒たちがニュースをポジティブに捉えるようになってきたと感じています。友人とのシェアの時間も驚きの声などを聞くことができ、確実に生徒に「知る」という機会が提供されていることを実感し、うれしく思っています。
生徒にアンケートをとったところ、「知らなかったことが分かって、家族との会話のネタにして話せるようになりました」「社会の問題に触れることで、これからの時代を作る私たちが何を考え、何を思うのかが大事になってくると思うので、これからもニュースに目を通したいです」「いつもとは変わった視点でものごとを考えられるようになりました」「ものごとを考える上で、『知る』ことが自分の考え方や価値観を大きく変えてくれるものだと思いました」など、「知る」ことや「共有」することの価値を実感しているように感じています。ニュースを素材とした学びに、大きな可能性を感じています。
<始めた理由>
ニュースに触れることで社会への関心を高め、自分の世界を広げてほしいという願いがありました。NewsPicksの充実したプロピッカーや一般ユーザーのコメントから、多様な見方や価値観を知り、メディアリテラシーを身につけることで、主体的に考えられるようになるのではないかと思い、始めました。
<実施した感想>
まだ取り組み始めたばかりですが、生徒は興味深くニュースを見ており、仲間との対話も和気あいあいと楽しんでいる様子が見られます。
本校は6年一貫教育なので、この取り組みが早い段階から社会への関心を高めるきっかけになれば、キャリア教育の質を高めることができると期待しています。ニュース=社会に触れる機会をあえて作ることの大切さを実感しています。
〈取材・文:先生の学校編集部〉