1. TOPページ
  2. 読む
  3. 好きを起点に、社会とつながる長野日大の新設「探究創造学科」世界45カ国400件以・・・

好きを起点に、社会とつながる長野日大の新設「探究創造学科」世界45カ国400件以上の海外インターンを提供するタイガーモブがプロデュース![PR]

好きを起点に、社会とつながる長野日大の新設「探究創造学科」世界45カ国400件以上の海外インターンを提供するタイガーモブがプロデュース![PR]

2022年度、長野県長野市にある中高一貫校、長野日本大学中学・高等学校に、新たな学科やコースが新設される。その名も「探究創造学科(高校)」「探究創造コース(中学)」だ。

文部科学省からも注目される新設学科のカリキュラムを提供するのは、教育系スタートアップのタイガーモブ株式会社。

これからの教育に欠かせない探究学習のプログラムを、産学連携で提供するという座組みだ。

学校が外部のプロフェッショナルとつながり協働する効果や意味はどんなところにあるのだろうか。長野日本大学中学・高等学校校長の添谷芳久さんと、タイガーモブ株式会社 取締役・副社長の中村寛大さんに話を聞いた。

写真:長野日本大学中学・高等学校 / タイガーモブ株式会社
長野日本大学中学・高等学校 / タイガーモブ株式会社
添谷 芳久 (そえや よしひさ)さん
長野日本大学中学・高等学校 校長

中村 寛大(なかむら かんだい)さん
タイガーモブ株式会社 取締役・副社長


小学4年生から高校3年生までが所属する部活動「世界部」

まずは長野日大タイガーモブ、それぞれの概要について教えてください。

当校は長野県長野市にある私立中学校・高等学校で、長野県では唯一、幼小中高一貫教育に取り組んでいます。

生徒数は中高合わせて約1,300人、教職員数は非常勤も含めて100人程度在籍しており、北信エリアではトップクラスの学校規模を誇ります。

勉学に部活、課外活動が盛んで、自ら考えて判断し、行動を起こせる自立・自活した人づくり教育を大事にしています。

長野県では唯一、幼小中高一貫教育に取り組む長野日本大学学園

私たちタイガーモブは、「次世代リーダーの創出」をミッションに、Learning by doing(実践による学び)によって当たり前が変わる体験を提供する教育系スタートアップです。

世界45カ国での海外インターンシップの企画・紹介を柱に、大学生はもちろん、高校生や社会人も参加できるプログラムの提供や、近年では探究学習の支援など、「学びを構築するパートナー」として学校と一緒にプログラムをデザインしています。

両者が協働して立ち上げた「世界部」というユニークな部活動があるそうですね。

はい。2020年9月に初めて中村さんとお話させていただいた際にすっかり意気投合し、スタートした取り組みです。

「長野県の魅力を世界に発信する」ことを目的とした生徒主体の部活動で、当校の小学4年生から高校3年生までの生徒が混合チームを組み、信州企業とタイアップして生徒が企画した商品を海外で販売することをゴールに探究学習を行っています。

長野日本大学中学・高等学校校長の添谷芳久さん

実はこの世界部そのものが、来年度新設する「探究創造学科」のパイロットアクションになっているんです。

もともと探究創造学科の構想はあったのですが、それを形にする前に何か試験的な取り組みができないかと考えているタイミングで、タイガーモブさんとご縁をいただきました。

当社は「海外インターンの会社」というイメージが強いかもしれませんが、それは海外インターンが「Learning by doing(実践による学び)によって当たり前が変わる体験」をするのに最良の方法だと考えているからです。

文化も言語も違う異国では、自分を再定義しなければならない状況に多くぶつかります。自分は何がしたいのか、なぜこの価値観なのかと内省を繰り返すことで、探究力が培われていく。

私たちもちょうど、これと同様のメカニズムを持たせた探究学習プログラムを日本の学校にも広げていきたいと考えているところでした。

その考えに深く共感し、タイガーモブさんをパートナーにパイロットアクションである世界部を実験的に動かしてみて高い成果を得られたので、探究創造学科・コースのカリキュラム提供もお願いしたという経緯です。

タイガーモブ株式会社 取締役・副社長の中村寛大さん


海外インターンの会社にラブコールを送った校長の問題意識

探究創造学科の構想がもともとあったとのこと。添谷さんはどのような問題意識をお持ちだったのでしょうか?

本学は日本大学の付属校という特性上、内部推薦で大学に進む生徒が多く、校内にはわりとゆったりとした空気が流れています。真面目でおとなしい生徒が多く、勉学にもクラブ活動にもしっかり取り組んでいます。

大変素晴らしいことなのですが、一方で、ゼミ活動などでは能力を発揮しきれない傾向があるというフィードバックも大学側から受けていました。

尖った学び方ができる場を模索し、
タイガーモブさんと共に「世界部」をスタート

そこで、生徒たちが持つポテンシャルを最大限に発揮し、より活力に満ちた学校生活が送れるように、もっと社会とつながった探究型の学びを取り入れられないだろうかと考えていました。

もっと尖った学び方ができる場があってもいいなと。そこでパイロットアクションとしてタイガーモブさんの力をお借りして、世界部をスタートさせました。

世界部の活動に取り組んできた児童・生徒さんの変容はありましたか?

驚くほど変わりました!

最初は「長野の名産品をシンガポールで売りたい」とプレゼンしても、コンセプトは何なのか?など、海外ビジネスのプロにこてんぱんに打ち返されていましたが、生徒たち自らコンセプトについて勉強をしたり、自分たちが売りたい商品の差別化ポイントを探るべくフィールド調査を行ったり、値付けをどうするかを考えるなどして、りんごの販売を行うチームは、マーケティングを行う会社の社長と商談をするところまで今漕ぎつけています。

生徒のプレゼンテーションも著しく成長している

また七味唐からしの世界展開を目指すチームは、国内でのニーズ調査で約1,000個を売り切り、得た手元資金を活用して、イギリスのカツカレーブームに合わせたスパイス開発のリサーチを行っています。

まさに、マーケティングにおいて欠かせない4P分析(Product、Price、Place、Promotion)や3C分析(Customer、Competitor、Company)を体験したわけです。

アウトプット面でも頼もしくなりましたよね。最初は全然しゃべれなかったのに、今ではプレゼンがとても上手になった。

そうですね。アウトプットの機会が多いことと、毎日Slackに書き込む振り返りチャンネルによる内省効果が大きいのだと思います。

生徒が変わる姿に触発され、
変容する先生の姿が印象的だったと語る中村さん

探究活動で変容しているのは、実は生徒たちだけではありません。世界部の顧問にも、たった1年で周囲が驚くほどの変貌を遂げた先生がいます。

その先生は「探究とは何か?」を哲学的に掘り下げることがもはや趣味になっていて、どんどん良いアイデアを出してくれるようになりました。

授業ではビジョンの話をたくさんしますし、先生方もワークシートに取り組んでくれるんです。

そうした機会に触れているうちに、ご自身がもともと抱いていた教育に対する思いや原体験が呼び起こされ、触発されるのでしょうね。

生徒が変わっていく姿を見て、先生もどんどん探究家になっていっている。おもしろいです。


産学のリソースを掛け合わせて、未来につながる学び場をつくる

来年度からスタートする「探究創造学科」はどのような学科なのでしょうか?

当校はあくまでも普通科なので、普通科として最低限の授業時間を確保しつつ、「好きな分野で世界をリードできる存在」になれるような人づくりを目指して、残りの時間を徹底した探究学習に取り組むカリキュラムにしています。

1・2年生の午後の時間割は通常の教科科目ではなく、探究系の学校設定科目である上に、水曜日は全学年とも「探究の日」として朝からフィールド調査へ行けるようにしました。

探究活動は一人ひとりの「好き」を起点に、探究のための3つの学校設定科目に沿って進めます。

①ビジョン・ミーティング:仮説段階
自分の「好きなもの」からどうやって社会に価値を生み出すか、目標を立てて実行する力を育む

②コンソーシアム・ラーニング:検証段階
日大のネットワークを活用しながら社会を舞台に、体験を通して学ぶ

③プレゼンテーション・ミーティング:発表段階
自分の学びの成果を発表し、対話的に学ぶ

新設する探究創造学科やコースでは、
好きな分野で世界をリードできる人づくりを目指していく

さらには、日本大学やタイガーモブさんが持つネットワークをフル活用して、外部のさまざまな機関ともつながっていくので、最先端の研究に触れたり海外の研究者と交流したりすることも可能です。

とにかく「好きなもの」を徹底して調べ抜き、考え抜く学びの形をデザインしています。

学校が外部の企業やプロフェッショナルとコラボする意義はどこにあると感じられていますか?

外部の方とお話していると、やはり学校の中しか知らない教員の世界は狭いということに気づかされます。

学校では国語・算数・理科・社会と、教科ごとに区切られていますが、実際の社会ではその全てがつながっているわけで。

産学連携の醍醐味は、新しい視点を得られることによる
教員側の意識や態度の変容にあるという

自分が常識だと思っている物事や教科の枠組みがいかに限定的で、学校的なものなのか。そこに気がつくことができれば、自然と視野は広がります。

自分の担当教科だけ見ているのではダメで、他の教科とどう交差させていくか。タイガーモブさんから刺激をいただくことで、私たち教員側も探究者に切り替えさせてもらっているように思います。

産学が連携することの一番の意味は、そこにあるのではないかと思います。

学校がもっと外部と連携することで、先生たちがよりクリエイティブになって子どもたちによりおもしろい学びを提示できるようになる方法が、まだまだたくさんあると思うんです。

学校にできること、私たちタイガーモブにできること。それらを掛け合わせて、子どもたちにとってよりおもしろい学びの場を共創していきたいですよね。

中村さんが来ると、やっぱり子どもたちは喜ぶし盛り上がるんだよね。学校の先生でもない、家族でもない、第3の立場の人の関わりは、生徒たちにとっても新鮮なのだと改めて感じます。

学校は毎日来る場所なので、今も未来も、子どもたちにとって楽しく、幸せな場所であってほしい。今後もタイガーモブさんの力を存分に借りて、関わる人全員が幸せになれる学校づくりを目指したいですね。

▼タイガーモブさんへの問い合わせはこちらから
https://forms.gle/4wMAxfM823xD2YH4A


〈取材・文=栗崎 恵実/写真=竹花 康〉